4-1 力学の準備

 物体の運動を考えるとき、完全に静止した座標系に対して物体が静止している場合は、当然力は作用していませんし、また、等速度で運動している場合もその速度になるまで力は働きますが、等速度での運動中は力が作用していないことは理解できるでしょう。

一方、速度が変化する場合は、物体に力が作用して、力が作用した結果運動の状態が変化することは経験的に納得できると思います。

 そして、上記のことから作用する力が0の場合も含めて物体は力の影響下で運動していることは確実と考えられることから、物体の運動を記述するためには物体の位置を表す物理量と力の関係を規定する方程式が必要になることが予想でき、基準になる時刻における物体の座標値と、各時刻における移動経路を自動的に指定する方法が数学的手段を用いることにより得られれば、物体の運動を確定することができると考えることができます。

 そこで、本節では、物体の運動が確定する条件を考察するとともに、そこに現れる力学理論構築の主要な要素である変位、速度、加速度、力、質量の概念を紹介することにします。

4-1-1 運動が確定する条件の考察

4-1-2 変位

4-1-3 速度

4-1-4 加速度

4-1-5 力

4-1-6 質量