一定の速度で物体が運動している場合には、変位を移動時間で割って速度を定義しますが、時々刻々と速度が変化している場合には、各区画で速度が一定とみなせる程度に時間間隔を細かくして、非常に短い経過時間における変位ベクトルを経過時間で割って、時々刻々の速度を定義することになり、この各瞬間における速度を算出する操作は微分とよばれています。また、この操作では、変位ベクトルをスカラー量であるΔtで割ることになるため、速度もベクトル量となります(図4-1-6)。
図4-1-6. 速度の定義
そして、各時刻の速度ベクトルをv(t)と表すと、速度ベクトルは変位ベクトルを用いて
と定義され、また、各時刻の速度の成分は、各時刻の位置ベクトルの各成分であるx(t)、y(t)、z(t)を用いて
と表示されます。